精神障害の労災請求件数が1,409件(前年度比152件増)と過去最多

厚生労働省から,「平成25年度「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」を公表」というプレスリリースが出されていました。

これによれば,記事タイトルのとおり,精神障害についての労災請求件数が1,409件(前年度比152件増)と過去最多となったそうです。

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精神障害についての労災請求が認められた率(認定率)は,平成25年度において36.5%(支給決定件数:436件/決定件数:1193件)となっており,前年平成24年度からは若干(2.5%)の減少となっています(資料はこちら)。

一方,脳・心臓疾患についての労災請求に関する認定率は,同じく平成25年度をみると44.8%(支給決定件数:306件/決定件数:683件)となっており(資料はこちら),精神障害についての労災請求のほうが認められにくい傾向にあるといえます。

また,精神障害についての労災請求につき,都道府県別の認定率をみると,岩手県と富山県が85.71%(いずれの県も支給決定件数:6件/決定件数:7件)と最も認定率が高く,他方,和歌山県,島根県,香川県が0%となっており,都道府県によって認定率にかなり差がみられます(ちなみに,全国平均の36.5%を下回る認定率の府県は,計19府県です)。

精神障害の原因となった事象別にみて支給決定件数の多いものは,以下のようになっています。

・仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった(支給決定件数:55件)
・(ひどい)嫌がらせ,いじめ,又は暴行を受けた(同:55件)
・悲惨な事故や災害の体験,目撃をした (同:49件)
・(重度の)病気やケガをした(同:46件)
・1か月に80時間以上の時間外労働を行った(同:34件)
・セクシュアルハラスメントを受けた (同:28件)

これによれば,長時間の(時間外)労働よりも,仕事内容・量の変化や,職場の人間関係から精神障害を発症するケースが多いことが分かります。

使用者としては,労働時間についてのみならず,きめ細かな労務管理に留意する必要があるといえそうです。

弁護士櫻町直樹

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